意外と知られていない!内定後に確認すべき労働条件
就職活動もいよいよ大詰めになり、いくつか内定をゲットした学生さんは多いと思われます。
もう卒業旅行について動き出している方も多いのではないでしょうか。
内定後には必ず契約するための書類などを大量に貰い、そして時にはサインをする機会が必然的に表れてきます。
サインをして印鑑を押す前に、しっかりと雇用条件などを確認したでしょうか。
きちんと法律に基づいて適切な書類を頂いたでしょうか。
内定後に潜む意外な危険についてご存知でしょうか。
確認不足が自分の首をしめることになりかねません。
今回は、内定後に潜む第一の危険「雇用契約書」と「労働条件通知書」について解説します。
「雇用契約書」と「労働条件通知書」は別物!
みなさんは「雇用契約書」と「労働条件通知書」に違いを知っていますか?
混ざりやすいですが実は全く別のものなのです。
実は、このふたつには明確な違いが存在するのです。
事業主がこの違いを理解していないがために悪意はなく渡しそびれている可能性もあります。
しかし、こうした2つの書類をきちんと使い分けて渡している会社は法律に則って行う健全な会社である可能性が高いです。
では、具体的になにが異なるのでしょうか。大きな違いは、「契約書と通知書の違い」になります。
労働通知書から見ていきましょう。
労働通知書は、雇用側から雇われる側に一方的に交付されるものです。
つまり、授業中に先生から配られるプリントと同じような感覚のものであると捉えてください。
では次に「雇用契約書」を解説していきます。
雇用契約書は、雇用主と雇用される側との間に契約を結ぶものであり、契約書にはもちろん、署名と印鑑が必要になってきます。
要約すると、「労働条件通知書」は一方的な書類であり、逆に「雇用契約書」は双方向の書類であるということがわかります。
また、「法的根拠」も異なります。
「労働条件通知書」は、労働基準法によって「事業主への義務」として法律で強制力をもって定められています。
一方で、「雇用契約書」は民法及び労働契約法によって、「使用者と労働者の間で、労働契約について、労働者が理解を深められるように」と契約内容をより明確化させるために任意で作成する書類となっています。
まとめると、「労働条件通知書」の場合は、法律によって作成することが定められており、作成しなければ何かしらの罰則が発生します。
逆に、「雇用契約書」は雇用条件を再確認するために企業側が任意に作成するものになっております。
では、なぜこの2つは混同されてしまうのか
内定後に契約の書類を貰うことが多いと思いますが、まずは雇用される側がきちんと書類にどのような意味を持つのかを理解する必要があります。
また、それ以前に雇用する側の人は、法律違反になる可能性もあるためしっかりと法律を確認し、必要書類を用意するよう心がける必要があります。
では、次に「なぜこの2つが混同してしまうのか」を考えていきたいと思います。
1番の要因は、雇用契約書と労働条件通知書の内容がどうしても似てきてしまうという理由が挙げられます。
内定後には忙しいためサインの内容を確認せずにしてしまう場合がありますが必ず目を通すようにしましょう。
企業側は、「労働条件通知書」をもらっていないと訴えられていざ裁判になった時のために「雇用契約書」と「労働条件通知書」を一つにまとめて交付する場合がります。
つまり、このふたつはもともと似た書類であり、まとめて一つにする場合もあるのです。
書面上で記さなければならない労働条件を紹介
まず、労働契約の期間になります。
一般的には雇用開始日を示しており、雇用期間が定められている場合は期間を明確に記さなければなりません。
次に、就業場所及び従事する業務です。
大きな会社になれば配属される部署が多くあると思います。そのため、働く内容や業種をきちんと定める必要があります。
契約上定められた仕事と実際に行っている仕事が異なればもちろん契約が違うということになりますよね。
始業と終業の時刻を定めることも重要になります。
業務に携わる時間だけではなく、残業があるのかどうかや休憩時間の明記、そして交代制の場合は交代をする時間を定めなければなりません。
賃金ももちろん定める必要があります。
これが明確に記されていない会社には要注意ですね。
他にも、休日・休暇や有給休暇を示し、退職に関することも示さなければなりません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
内定後にしっかりと労働条件を確認せずに契約を結んでしまうと後々後悔することになるかもしれません。
実際に、新卒と転職では評価される基準が異なり希望通りの業種への転職も難しい場合があります。
未だ、入社してから定年まで1つの会社に残ることをよしとする終身雇用制が根を張っている日本において、いまだに転職をすることは難しいかもしれません。
そのため、自分でしっかりと確認して労働条件が自分と合っているのかをしっかりと確認していく必要があります。