転職前に業界研究のやり方を押さえよう!転職のプロが徹底解説!
みなさんは業界研究にどのくらい時間を費やしていますか?
業界研究は転職活動の結果を左右する重要な準備段階です。
しかし、業界研究のやり方がわからずに、面接を迎えてしまっているひとも大勢いるのが現実です。
業界研究は転職活動において重要とされるのはなぜでしょうか?
それは、数多くある業界の中からみなさんに合った業界や今までの社会人経験を活かせる業界を明確にできるからです。
この記事では、転職活動前に行うべき業界研究のやり方について解説していきます。
みなさんの転職を成功に導くための業界研究をしていきましょう。
転職時の業界研究のやり方!業界研究で押さえるべきポイント
まず、転職時の業界研究のやり方を押さえましょう。
エントリーする企業を選定するには、大きな視野から徐々に目標を絞り込んでいくのが一般的です。
いきなり企業の事業内容や福利厚生から調べ始めてはいけません。
しかし、多くの転職者は企業研究を先に始めている人の割合が多いのです。
面接時の質問は企業の事業に関することだけではありません。
企業は業界内の市場を拡大し、業績を伸ばしていくことを目標にしています。
当然、業界に関する基礎的な知識を企業は転職者に求めてきます。
面接官に良い印象を与えるためにも、転職活動は業界研究をしてから企業研究を行いましょう。
STEP①同業界に転職をするのか、他業界に挑戦するのかを決める
まず初めに、業界の選定をしていかなければいけません。
「引き続き同じ業界でキャリアアップしていくか」それとも「他業界に挑戦をしていくか」の2つの方向性から選択していきます。
業界を選定するにあたって重要な要素は、みなさんが転職をすることを決断した理由です。
転職理由は人それぞれで、在籍していた企業の働く環境に問題がある場合、業界そのものに関心がなくなった場合などさまざまです。
仮に、転職理由がぼんやりしている場合は、一度踏みとどまって現職の職場環境を振り返ってみることをおすすめします。
他業界への転職は今までに培ってきたスキルや経験をすべて捨て、1からの挑戦となる可能性もあります。
みなさんが転職する際に業界を変えることが必要なのか、業界研究の結果とみなさんの転職理由を比較してみましょう。
STEP②希望する業界の情報収集をしよう
みなさんはどのような業界なら活躍できそうでしょうか?
新卒の就職活動と違い、転職の希望者はすでに実務経験を積んでいます。
今までの社会人経験を最大限どのように活かしていくかが転職の成否の分かれ目となります。
とくに、他業界への挑戦は注意が必要です。
みなさんが培ってきたスキルが、新しい業界内でどのような評価を受けるかわかりません。
希少性が高いスキルだとしても、需要がないため採用していない可能性もあります。
業界の風土や慣習を知ることはもちろんのこと、みなさんのスキルが希望する業界の需要とマッチしているかを徹底的に調べましょう。
STEP③希望していく業界を2つ以内に絞り込む
前述したように転職活動においては、業界そのものの魅力だけではなく、みなさんの性格やスキルとの親和性を重要視しなければ成功しません。
業界に強い関心があるというだけでは、企業側からの印象も良くならないでしょう。
企業へ応募する前に、希望する業界で活躍できる目星がついていなければなりません。
みなさんの希望、業界内での市場価値、業界自体のビジネス環境、業界の将来性までを総合的に判断しましょう。
また、絞り込む業界の数は1~2業界、多くても3業界までにすることをおすすめします。
業界研究には時間を多く費やしてしまうものです。
さらに、業界研究のあとには、企業研究や履歴書作成などやらなければいけないことがたくさん残っています。
業界を絞り込めていないことは志望動機にブレを生み出し、みなさんの転職を失敗にしてしまう可能性があるので注意しましょう。
業界研究をするメリットを理解しよう
業界研究のやり方を前述しましたが、業界研究をするメリットも理解しておきましょう。
転職活動を行う人の多くは、エントリーをする企業の選別に多くの時間をかけているのではないでしょうか?
「一緒に働く人はどのような人か」、「残業は月にどのくらいあるのか」、「福利厚生は充実しているか」など企業に求めることはたくさんあります。
しかし、転職する企業を決定するということは、業界を決定することです。
企業の独自性ばかりを見てしまい企業の置かれる業界について知らないと、「こんなはずではなかった」と入社後に後悔してしまいます。
多くの時間を費やした転職活動を満足のいく結果で締めくくるためにも、業界研究に注力しましょう。
まずは、業界研究を行うメリットをいくつか紹介します。
①業界の将来性をイメージできる
毎年さまざまな事業が世の中で生み出され、数多くの業界が新たに誕生しています。
20年前にスマホを大勢の人が利用している現在を想像できたでしょうか?想像できた人は数少ないでしょう。
将来的にはAI分野の技術進歩により、衰退していく業界もでてくるかもしれません。
業界研究をすることで、将来的に業界がどのような発展を遂げていくかを判断するための情報収集ができます。
注意するポイントは、インターネット上にある1つの意見にとらわれずに、たくさんの情報を収集することです。
②自分の経験を活かせるポイントがわかる
転職先の業界は、必ずしも今働いている業界と同じとは限りません。
前職の経験を活かして、新たな挑戦を考えている人も多いのではないでしょうか?
みなさんが今働いている業界で転職先を探すのであれば、今後のキャリアでどのように力を発揮していくかイメージしやすいと思います。
しかし、他業界に転職する場合、みなさんが持ち合わせる経験がどのように活かせるのかイメージすることが難しいでしょう。
業界研究をすることで、他業界への転職でも業界への理解を深められます。
業界への理解を深めることは面接対策にも有効で、論理的な視点から自己PRを面接ですることができます。
転職時の業界研究で押さえるべきポイント
業界研究のやり方を3ステップ紹介しましたが、さらに押さえておくべきポイントがあります。
それは、「各業界のトップ企業を掘り下げて研究すること」と「新卒用の採用ページをチェックすること」です。
業界研究では、知りたい情報や役に立つだろう情報を予想し、進めなければ転職活動に活かせず意味がありません。
2つのポイントをしっかりと押さえることで、みなさんも質の高い業界研究をできるようになります。
では、押さえるべきポイントを紹介します。
①各業界のトップ企業を掘り下げて研究する
業界のトレンドを作り出しているのはトップシェアの企業です。
よって、業界の全体像をつかむためには、トップシェアの企業を掘り下げて研究することをおすすめします。
さらに、売上高の伸び率や利益率などの変動をチェックすれば、マーケットの状況が見えてくるため、業界の将来性を判断するためにも役立ちます。
業界の成長性はみなさんの入社後の成長にも比例します。
同じ業界で働き続ける場合も転職を再びする場合も重要になってきます。
②新卒用の採用ページをチェックする
企業のホームページ内にある新卒用の採用ページはおすすめの情報源です。
新卒の就活生は社会人経験がないため、企業から研究のための材料として提供されている情報が多いです。
わかりやすい言葉で、事業の仕組みや今後の展望、各部門職種の役割などが紹介されているため理解しやすいです。
他の求人サイトやインターネット上から、収集することができる情報もあるかもしれませんが、さまざまなサイトに載っている情報ほど信憑性は高くなります。
使える手段は一度すべて使ってみましょう。
業界研究におすすめの情報収集方法6選!
業界研究をするためにはたくさんの情報を収集して、比較と分析をしていかなければなりません。
インターネットで検索し簡単に調べることのできる情報は、他の転職者も手に入れられる情報です。
より詳しい情報を収集できるかがポイントになります。
転職の採用選考では新卒の就職と比べて、社会人経験のある人材を採用するため、企業の目線も厳しくなります。
業界研究で活用できる情報の収集源をそれぞれの特徴とチェックポイントとともに紹介していきます。
業界研究のための情報をどこから収集していいかわからない人は、参考にしてみてください。
①会社四季報
業界全体の特徴やビジネスモデルを把握するためにおすすめなのが会社四季報です。
会社四季報の1番の特徴は、専門家の予想やコメントが掲載されていてわかりやすいところです。
さらに、売上高や営業利益、自己資本比率など企業の経営状況を判断するために必要なデータが集まっています。
そして、多くの人が気にする社員の平均年齢や平均年収、定着率など企業を選んでいくために必要な情報を調べることもできます。
転職活動において、会社四季報は一般的な業界研究方法です。
②新聞・業界誌
新聞やニュースサイトは移動時にも実践できる業界研究方法です。
新聞やニュースサイトは、スマートフォンで確認することができるため場所を選びません。
新聞やニュースサイトの特徴は、毎日最新の情報がリアルタイムで世に出るところです。
インターネット上の記事などは、定期的に更新されていない場合が多いため古い情報を信じてしまいます。
新聞やニュースサイトを読み、各業界の最新情報を収集するためのアンテナを高く張っておきましょう。
志望の業界が絞られている人は新聞やニュースサイトに加えて業界誌を読むことをおすすめします。
より詳細な情報や今後のトレンドまで押さえることができるため、面接時の回答で他の応募者と差をつけられます。
③企業のWebサイト
業界内での企業ごとの強みや差別化を図っているポイントを知るためには、企業のWebサイトから情報を収集することがおすすめです。
業界を代表する複数の企業をチェックすることで業界全体のイメージが見えてきます。
また、社員の1日のスケジュールを載せている企業もあります。
業界研究とあわせて、自分がその業界で働いた場合の働き方になるのかイメージすることができるでしょう。
④転職イベント
転職イベントの1番の特徴は、さまざまな業界の企業の担当者と話ができるところです。
一度に多くの情報を集めることができるため、効率のいい業界研究方法だといえます。
転職活動において、実際に働いている人の生の声を聞くことは貴重な機会となります。
Webサイトや新聞などでは見えてこない部分について、積極的に質問をしていきましょう。
また、数多くの企業が参加をしているため、説明会に参加し思わぬ出会いがあるかもしれません。
⑤口コミ
みなさんの前に転職活動をしていた人たちが、さまざまな口コミサイトに書き込みをしています。
口コミサイトでは、残業時間や評価体制などの外部にはなかなか情報が出ない内容もわかる貴重な情報源です。
基本的に口コミサイトには転職をした人たちが書き込んでいるため、業界のいい面だけではなく課題面も知ることができます。
入社後に「やっぱり違った」と思わないように、メリットとデメリットの両面を理解し、理想の働き方を考えることがおすすめです。
しかし、口コミサイトに書き込まれている内容は1つの意見にすぎませんので、情報をすべて信じず参考程度にとどめましょう。
⑥業界動向のまとめサイト
転職活動における業界研究方法はさまざまありますが、最も手軽で網羅的に情報を集められる方法が業界動向のまとめサイトをチェックすることです。
特に、業界研究をする時間がない人へおすすめの方法となっています。
面接の前日や移動時間の合間にするだけでも、面接対策に効果があるでしょう。
業界動向のまとめサイトでおすすめのサイトを紹介します。
⑴就職ジャーナル
就職ジャーナルはリクナビが運営する新卒向けのサイトです。
さまざまな業界の情報についてまとめられています。
その数はなんと大小合わせて150の業界に対応しています。
新卒向けということもあり、概要が簡単にまとめられている優良サイトです。
会社四季報のような業界研究本は情報量こそ多いですが、情報収集の効率に関しては就職ジャーナルが良いといえます。
⑵業界動向サーチ
業界動向サーチは先ほど紹介した就職ジャーナルより、詳しく業界研究をしていきたいときにおすすめのサイトです。
サイト内容は、各業界の最新情報やトレンドをレポートしたものです。
業界動向サーチを利用し、より詳しく業界研究をすることで質の高いものになります。
業界ごとの特徴と平均賃金をカンタンに解説
この記事では、転職活動を始めようと考えているみなさんに業界研究の重要性とやり方を紹介してきました。
業界研究はとても重要なことは伝わりましたでしょうか?
重要と感じた人はやり方を参考に業界研究をしてみてください。
しかし、転職活動を企業に在籍しながら進めている人も多くいると思います。
業界研究が重要なことは理解できたが、業界研究に費やせる時間がない人向けにいくつかの業界の特徴を簡単にご紹介していきます。
以下の情報を入り口にさらなる深掘りしてみてください。
IT業界
IT業界は需要が伸び続けていて、転職市場でも絶好の売り手市場です。
将来的には、公共系システムインフラの整備に期待が集まっていて、AIやIoTの開発需要は高まっています。
プログラマーやシステムエンジニア、システムやウェブの開発に携わることができ、技術力を極めたいのであれば、SIerを目指すことができるのがIT業界です。
さらに、マネジメントに挑戦してみたいのであれば、戦略から提案できるコンサルファームを目指すことも可能です。
IT業界の平均年収は20代後半の男性で27万4,500円、女性は25万7,000円となっています。
IT業界は全体的に技術職で、未経験での募集を行っている企業は少ないですが、若い年齢の場合募集枠もあります。
建設業界
建設業界は、東京の大規模再開発計画やリニア中央新幹線計画などビッグプロジェクトが注目を集めています。
大都市周辺を拠点とする企業を中心に空前の売り手市場となっています。
建設業界にはさまざまな仕事があり、公共工事からオフィスビル、商業施設、住宅などの民間工事が一部の例です。
将来的には、既存住宅のリフォームや新興国のインフラ整備などニーズが拡大していき、海外進出も見込めるのが特徴です。
しかし、建設業界を今まで盛り上げていた東京オリンピックが終了した後は、少し好況も落ち着くとみられています。
建設業界の平均年収は20代後半の男性で25万5,600円、女性は22万4,500円となっています。
医療・介護業界
医療・介護業界は景気の変動に対して強く、高齢化社会の中で需要が高まっている業界の1つです。
医療・介護業界は慢性的な人手不足に悩まされていて、転職市場も好況です。
未経験者歓迎の企業が多いため、他業界への挑戦を考えている転職者におすすめの業界となります。
医薬品メーカーでは新薬開発が活発に行われていて、医療機器メーカーはアジアの各地に進出しています。
将来性を考えると高齢化社会はさらに進むため、転職市場の好況は続くとみられるでしょう。
医療・介護業界の平均年収は20代後半の男性で25万5,600円、女性は23万4,700円となっています。
銀行・証券・保険業界
銀行・証券・保険業界はAI技術の開発にともなって人員削減がされているが、個人向けの金融サービスが需要を拡大していて、リテール営業の中途採用が活発に行われています。
たとえば、「老後2000万円問題」がきっかけとなり、個人顧客に資産運用や相続のコンサルティングなどです。
近年は、金融サービスとITを融合した技術「フィンテック」が注目を集めています。
ネットバンキングやオンライン決済などのインフラが整備され、業界全体に大きな変化が訪れことが予想されています。
銀行・証券・保険業界の平均年収は20代後半の男性で28万5,900円、女性は23万6,100円となっています。
運輸業界・郵便業界
運輸・郵便業界はインターネット通販の需要拡大により、好況が続いています。
仕事内容は配送業務だけではなく、倉庫管理や営業、SE、貿易事務などさまざまな職種があるのが特徴です。
転職市場も好況で、倉庫管理と営業職は未経験者採用を積極的に行っています。
近年では海外資本の企業も日本へ参入し、倉庫業務から加工・包装・物流システムを一括して請け負う「サードパーティ・ロジスティクス」の市場が拡大しています。
将来的に海外に拠点の展開も考えられ、転職市場においては追い風といえます。
運輸業界・郵便業界の平均年収は20代後半の男性で24万2,500円、女性は21万9,100円となっています。
業界研究に困ったら転職エージェントがおすすめ!
転職活動は準備段階から勝負がはじまっています。
選考が始まると、面接官も業界への知識をある程度深めているものと仮定して質問をしてきます。
企業の研究を熱心に行って面接時に熱意を見せたとしても、業界研究を怠っていると熱意を感じないと受け取られてしまう可能性もあるでしょう。
しかし、「業界研究をする時間がない」、「早く転職活動を終わらせたい」などの転職活動をしていく上での悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか?
転職活動をスムーズに行うためにも転職エージェントを利用するのも1つの手段です。
エージェントの担当者は転職活動のプロです。求職者が求めている情報をすぐに提示してくれるでしょう。
①リクルートエージェント
大手リクルートが運営するリクルートエージェントでは業界最大の情報量を誇ります。
紹介できる企業も大手から中小企業、ベンチャー企業までカバーしています。
他の転職エージェントでは扱っていない企業情報をもっているため、より質の高い業界研究を可能にします。
転職エージェントの利用は複数社したほうが良いといわれますが、転職活動の軸として利用すべきエージェントになります。
②doda
パーソナルキャリアが運営するdodaも転職エージェント中でも大手になります。
求人数も先ほど紹介したリクナビエージェントに匹敵します。
dodaの大きな特徴は業界ごとにエージェントが分かれていることです。
業界ごとにエージェントを用意しているということは、各業界の情報を熟知しているスペシャリストがいるということです。
業界研究をする上で、業界を詳しく研究したい人にとっては心強い存在です。
③マイナビジョブ20’s
マイナビジョブ20’sは第二新卒から20代専用の転職サービスです。
他業界の挑戦をする割合は、圧倒的に20代が多いです。
20代の転職ノウハウを持ち合わせているマイナビジョブ20’sは、社会人経験の少ない転職者の強い味方です。
業界研究のやり方で転職活動の結果が大きく変わる
業界研究は転職活動において重要なステップですが、やり方がわからずに実践をしないまま面接を迎えている人が大勢います。
しかし、業界研究をせずに面接を迎えた人の多くは満足のいく結果になってはいません。
とくに中途採用での面接では、業界への関心や理解度と今後のキャリアプランなどが面接官から質問されます。
業界研究を万全に行うことで面接時の応答にも違いを生み出し、他の応募者との差別化が図れるでしょう。
転職活動を終えた後に後悔しないためにも、しっかりと業界研究をおこない満足のいく転職活動にしましょう。
今後の輝かしいキャリアをみなさんが歩まれることを願っています。