転職で総合職と一般職の違いとは?本当はもう時代遅れ?
就職や転職活動で企業の募集要項を見ると、「総合職 月給○○万円、一般職 月給○○万円」というように別枠で採用を行っている企業が多いですね。
転職を考えている皆さんも、次の仕事は総合職として働くべきか、一般職として働くべきかで迷うことも多いかと思います。
しかしこの記事のタイトルの通り、もはり転職先を総合職と一般職で括るという考え方自体が時代に合わなくなってきています。
今回は、その結論に至った理由について述べさせていただきます。転職活動の参考になれば幸いです。
そもそも総合職と一般職の定義と違いとは
総合職は、総合的な判断を要する基幹的業務に従事する企業の正社員のことと定義づけられています。正社員は将来的に管理職になることを期待された幹部候補でもあり、仕事内容は多岐にわたります。
一般職は、日本の正社員コース区分に入っているので正社員ではありますが、仕事の範囲は総合職ほど広くなく、どちらかと言うと補助的・定型的な業務がメインとなります。
両者はともに正社員という扱いですが、主に以下の点において違いがでてきます。
- 仕事の責任の度合い
- 基本給や昇給の上り幅の差
- 評価基準
- 異動の有無
- 転勤の有無
細かいところは会社によってそれぞれ違いますが、要するに総合職は将来の幹部候補、一般職はその下で働く一般社員ということになります。
バリバリ仕事をして将来出世したい肉食系の方は総合職、仕事よりプライベートを充実させたい、出世には興味ない草食系の方はもしかして一般職のほうが向いているかもしれません。
どうして総合職と一般職という区分けが生まれたの?
昔の高度成長時代では、企業はみんな事業を拡大していく道にありました。事業所を新設したり、事業部を増やしたりする時は、柔軟に人員の移動を行う必要がありました。
自分は何がしたいのかではなく、「皆は会社の言う通りにどこでもいきます!なんでもやります!」という人を総合職として採用してきました。職種や転勤は本人にとって大変なので、給料も多めに出そうというのは、総合職の賃金が高い理由です。
一方で、会社規模の拡大により前線でバリバリ働く総合職が増えれば増えるほど、事務作業や雑務をこなす人も必要になってきました。同時に女性進出も進んだ結果、一般職は女性の多い職場になりました。
一般職というのは、補助的な業務を担当し、後方支援要員のような存在と考えていいでしょう。
以上は総合職と一般職という区分けが生まれた背景です。
総合職と一般職が時代遅れだと言われる理由
そんな総合職と一般職は、一見合理的な分け方ですが、時代の変化とともに見直さざるを得なくなってきています。それぞれの理由をご説明します。
企業の採算に合わなくなってきた一般職
昔は営業一人につき、女性社員が一人営業アシスタントとしてついて、営業の連絡係や事務処理などバックオフィスの業務を担当していました。
今の営業はノートパソコンやタブレットを持ち、外回りでもメールを送ったり、スケジュール管理したり、書類作成をしたりするなど何でもできます。そうすると営業アシスタントそのものが必要なくなります。
また、今人件費削減が企業にとって喫緊の課題なので、後方支援の要素が強い一般職はどんどん非正規社員に置き換えられていきます。今までのような補助的な業務だけ担当させては、会社として採算が合わなくなってしまいます。
今のキャリア感に合わなくなってきた「総合職」
すでに知っている方も多いと思いますが、日本では年功序列的な賃金体制を廃止している企業が激増しています。今我慢すれば生活はどんどん良くなるだろうという考え方はできなくなった時代です。
会社は全社員の面倒を全て見るのではなく、社員は独立した個人として、自分のキャリアを形成していくというのが時代の趨勢だと言えるでしょう。もし自分の生き方や価値観と合わない会社にいれば、転職してしまえばいいのです。
自分自身のために、スキルを磨いていくことができれば、どの会社でも構わないと考えている人が増える中、総合職は人々のキャリア観と齟齬が生じるのも当然です。
一般職と総合職よりも、スペシャリストとジェネラリストという言い方が増えています。
これからの時代に必要な心がけ
今でも「総合職」と「一般職」は多くの企業で健在です。そして、多くの転職者が、自分のキャリアをそのどちらかの枠にはめるべきかを考えています。
企業の枠組みが変わらない限り、そのどちらかを選ばざるを得ない状況はまだしばらく変わらないかも知れませんが、世の中は確実に動いています。
総合職にせよ、一般職にせよ、「自分は何をしたいのか」「自分のキャリアをどう設計していくのか」という質問の答えを持つことが大事です。そしてそれができる会社を選べばいいのです。
今いる会社は時代錯誤が激しい会社であれば、潔く見切りをつけることも大事です。それくらいの気持ちでこれからの時代を生き抜いていくべきだと私は考えます。